052782 ランダム
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ふぁんふぁんふぁ-ましぃ

+禁断の…+(6)


「何を言ってるんですか?」

僕は真剣に父を見つめた

「そのままだ・・・・オマエには婚約者がいるんだ」


「でも・・・僕はまだ結婚何て・・・・・・」
「そうです、秀さんには未だ・・・・」


「良いのさ、結婚でもして婿へ行け」

僕はカレンを見つめた

「僕は結婚したくないです」

「・・・・・・・・それは駄目だ、この家からは出てってもらう」

「何故です!?僕はここの長男です!」

僕はもの凄いけんまくで怒った

「カレン・・・行くぞ」

父は一瞬僕を見てカレンを呼び何処かへ出かけた

「ーっ・・・・何で、何でだよ」

ドンッ

僕は壁を殴った


どうして・・・
どうして・・・
僕とカレンは結ばれないのだろう・・
こんなに僕がカレンを愛したって
どうして邪魔が入るんだろう
僕とカレンは・・・
幸せに結ばれないのか・・・・

「ー・・・・」

大人げ無いが、僕は久しぶりに泣いた

「僕が、いくら愛したって・・・結ばれないんだ」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


僕は、そのまま玄関でしゃがんで泣いていた

ガチャッ


「・・・・・?!」
思わず涙を拭った

目の前には大和撫子の様な少女が


「君は?」

「私は御手洗 彌藍(みたらい みらん)と言います」


「何の様?父なら出かけたよ?」
「いいぇ、私は秀様に会いに来たのです・・・」

「僕に?」
「えぇ・・・・どうしたんですか?泣かないで・・・」


僕はその少女が誰か解った・・・
そう、彌藍は僕の婚約者・・・・・・・・・・・・

まさか、オマエのせいだ!何て言えないし・・・


「嫌・・・ちょっと」

「?・・・これで涙を拭ってくださいな」

彌藍は僕に‘はんかち”を渡した

何て優しい娘何だろう・・と、少しときめいた


「ありがと・・・」

彌藍は微笑んだ
優しい・・・
僕の求めている母と言う理想は・・・
きっとこんなカンジだろう・・・・

でも婚約は許さない
僕はカレンだけしか愛さない


「秀様、お母様は?」
「出かけているよ」

「大きい家ですわね・・素敵ですわ」
「嫌・・・僕はこの家が嫌いなんだ」

父が居るからだ

「ちょっと、家を見せてもらって良いですか?」
「良いよ」


庶民的な様でお嬢様な彌藍・・・
今ハイカラなドレスを着て走り回る・・


長い長い・・階段を同じペースで歩く


「ー・・疲れない?」
「何でですか?」

また微笑んで僕を見た

「嫌、だって・・この階段長いし・・・・」
「いいえっ、とっても良い気持ちですわ、だって秀様に会えたんですもの」
「え?」

僕は一瞬耳を疑った


この娘は、何で僕の欲しい言葉をホイホイ言うのだろう・・・


「何で、僕に会えて嬉しいの?」
「だって二枚目なんですもの!」
「はっ?!」
「私は今まで何度か、お見合いをしたんですがー皆さんお多福何ですもの」

「ぶっ!お多福?!」


僕は思わず笑った

「ふふふ、でも、ほら!こんなに秀様は二枚目で優しいんですもの」


「・・・ありがと」
「?、えぇ」


カレンとは違う、何かが有った


ぐぅぅぅー

鈍い音がした
これは・・・お腹の音?音の先を見ると彌藍のお腹にぶつかった


「きゃぁ!ごめんなさい」
半泣きで僕に言った


僕は、また微笑んだ

「お腹減ったんだね・・下で何か食べよう」
「え?!ぇえ、優しいんですね秀様は・・・」

「いいや、何食べたい?」
「えっと・・・何でも良いですよ」

そんなカンジで階段を下りた


「でも、可笑しいです・・」
「何で?」
「だって、秀様の家に来る前にカスティラを食べたんですよ?」

「そっか・・・でも、まだお腹空いてたんじゃない?」
「そうかもしれないです・・・・」

「アハハハハハ」
「うふふふ」

何だか可笑しいのはこっちだ・・あんなに会いたくなかった彼女と、こうして
喋っているなんて

階段を下りていると声が聞こえた


「本当なのか?!」
「え、えぇ・・・・」

「そうか、良くやった・・・でかしたぞ」
「えぇ・・・」
「嬉しくないのか?」

僕と彌藍は父達が帰った事をしった


(・・・・?でかした・・・・・?・・・!!)


まさか!!


僕は凄い勢いで、のこり少ない階段を下りた


「秀様?!」


「っ!!」

バンッ!

ドアを開けるとそこに父とカレンがいた

「おお、居たのか」
「・・・・・・・・」

僕は息を切らして父に聞いた


「カレンに何か有ったんですか?!」

父は憎らしい笑顔をした。


「カレンにな、私の子ができたんだ」


「・・・・・・・・・!!?」



少し遅れて息を切らした彌藍が来た


「お、おめでとうございます」

「あぁ、彌藍来てたのかい」
「はい、こんにちは、お母様」
「・・・・こんにちは」

彌藍は微笑んだ
カレンは寂しそうな顔をした



運命はクルクル回る・・・・・




+続へ+





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